渡良瀬川の源流に位置する足尾町松木地区は、足尾銅山の煙害により荒廃し、国や県などの関係機関による復旧事業が約100年前から続けられてきました。その間、さまざまな困難がありましたが、現在までに荒廃地の半分ほどで緑化事業が実施されてきました。

 こうしたなかで、渡良瀬川上流と下流の市民活動グループ(わたらせ川協会・渡良瀬川研究会・田中正造大学・渡良瀬川にサケを放す会・足尾ネーチャーライフ)が集まり、1996年5月、足尾の山に緑を取り戻そうと、「足尾に緑を育てる会」を結成し、松木地区で植樹活動を開始しました。植樹デーの参加者は年を追うごとに増え、近年は1500人ほどの人たちが集まるようになりました。

 また、児童・生徒による体験植樹や、各種団体による緑化活動も活発となり、環境問題に対する関心の大きさを示しています。

 私たちの会は、荒廃した足尾の山の緑化活動を軸に、足尾町の活性化に寄与し、渡良瀬川に清流を取り戻そうとするものです。ひとたび破壊された自然の回復には、じつに長い年月を必要とします。そのためには、多くの人たちによる地道な、そして息の長い活動が必要です。ぜひ、あなたも私たちの活動に加わってください。

立松和平 談話

心に木を植えよう

 ぼくの曾祖父は生野銀山から仲間三人と足尾にやってきた坑夫です。そして足尾銅山の隆盛の中で生き、足尾に住みつきました。ですから、ぼくは子どものころから足尾にはよく来ていました。そうしたこともあり、植樹デーには毎年欠かさず来ています。

 見渡すかぎり岩だらけのハゲ山がつづく足尾の山に木を植えるのは、けっして楽ではありません。石ころの地面には、スコップもうまくはいらないのです。苗木や土を険しい斜面に運び上げ、汗をかきかき3000本の木を植えて、谷の反対側から自分たちの仕事を眺めます。まるで象の背中にバンソウコウを貼ったかのように、ほんの小さな印がついているばかりです。自然は本当に大きいのです。

 それでも私たちは、木を植え続けていきます。百年以上かかって傷めつけられてきた足尾の山に緑を取り戻すには、焦らずゆっくりしつこく一本一本植林していくよりほかにありません。役所が予算を使って植えた千本より、千人が一本ずつ植えた苗木のほうが貴いと、私たちは知っています。なぜならば、私たちは山に木を植えると同時に、私たちの心の中にそれと同じ数だけの木を植えているからです。心の木もずいぶん育って楽しいことこの上ありません。

 これからも、みんなで一緒にやっていきましょう。

 

※このメッセージをいただいた後、2010年2月8日に立松さんは急遽されました。謹んで哀悼の意を表すとともに、立松さんの志をみんなで引き継いでいきましょう。

〈体験植樹のご案内〉

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※育てる会受付分となります。国土交通省受付分は申込が異なりますのでこちらをご確認ください。

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